2016年2月18日木曜日

キャロル(ネタバレ注意)

最高傑作でした。


ケイトブランシェット演じるキャロルとルーニーマーラ演じるテレーズが恋に落ちる物語。描き方が緻密で美しくて、ああこれが、映画なんだと感じた作品です。強烈に人間に惹かれた経験がある人はすごく共感するんじゃないかな。


映画のレビューを読んでいると同性愛の話だと書かれているのが目立つのですが、いや、一応そうなんだけど、そうじゃない。あの関係に定義づけたり一括りにしないでよー!と思ってしまうのです。


彼女たちの関係を一言で言ってしまうと、複雑な大人の関係。若いテレーズに気遣うキャロルの大人の対応がまた泣けます。言葉遣いひとつひとつにキャロルの優しさと人間力が滲み出ていて、急に別れなくてはいけなくなった日にもキャロルはテレーズに手紙を送って

「あなたはまだ若いから解決や説明を求めるだろうけどいつか分かる日がやってくる。もし永遠に逢えないことになったとしても、あなたを愛しつづけているわ」と書くんですね。

魅惑、愛情、他者を理解する力。
どれをとっても圧倒的なキャロルに骨抜きにされた人は多いんじゃないでしょうか。

テレーズもまた純粋な天使のような魅力を放っていてすばらしかった。ふわっとした可愛さはあるけれど、それだけじゃない。キャロルとの出逢いを通して彼女なりになにかを学びとり自分の道を歩くと決心した、そんな強さも垣間見えました。


ここからは私の見解ですが、一時は悲しいお別れをしても、お互いが自立しているのならば、5年後、10年後、どこかでまた二人は出逢う可能性はあるかなと思います。一緒いるのか別れるのかどっちなの?ハッキリしてよ!と、恋愛は関係性に結論を求めがちですが、本当のところは結論を求めるものでもなければ、今の時点では将来の二人の関係性まで予測がつかないんですよ。なるようになる、だから、なるようになってみなけりゃわからない。


映画館で観られて良かった。また観に行ってしまうかもしれない。

いろんな人に、是非観てもらいたい。












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